日光

深海~ふかうみ~通信

ふかうみ通信9月号 (小来川)

弘法大師と赤井原の地名のいわれ
小来川には「赤井原」という地名が存在します。
この地名には次のような伝説が残されております。
 勝道上人が日光開山の後に来晃した弘法大師は、途中で小来川に立ち寄りました。そして、現在の東小来川の赤井原付近に差し掛かったとき、喉が渇いたので民家を訪ね水を分けてもらえるよう頼みました。民家で機を織っていた娘は、「水は下の川原に流れています」と答えましたが、大師が通ったときには干し上がってしまっていて流れておりませんでした。事情を知った娘は、小さいながらも自分の家の泉の水を分けてあげたそうです。大師がこの泉が永く水が涸れないようお祈りしたので、今でも細いながらも泉が続いているとのことです。仏前に供える水を閼伽(あか)と呼ぶことから、大師はこの水の干し上がった川原を「閼伽干原」と呼び、その名が今に地名として伝いているそうです。

2021.09.04